定番商品を変わらぬ味とお手頃価格で
直巻おむすび とり五目
※現在商品名や規格が変更されています。
おにぎりカテゴリーの中でも定番商品として人気が高い『直巻おむすび とり五目』。長期にわたり安定した販売数をキープする、リピーターも多い商品です。鶏のうま味がしっかり感じられるごはんに鶏肉、にんじん、ごぼう、油揚げ、椎茸の5種の具材を混ぜ込んだ一体感のある仕立てが好評を博しています。
今回は『直巻おむすび とり五目』を開発したYさんにその思いを聞きました。
――『直巻おむすび とり五目』に込められたYさんの思いやこだわりを教えてください。
お手頃な価格帯の商品ではありますが、何と言っても、専門店の味をしっかり再現した本格的な『とり五目』を味わえるところです。特にチキンオイルやチキンエキスが入っているので、鶏のおいしさを十分に感じられるのがポイントになります。
これまで『とり五目』はさまざまなパターンで開発されてきましたが、だしが効いた繊細な味のとり五目というより、チキンオイルが入ったちょっとこってりした“やみつき”になるような現在の味がお客様から好まれている傾向にあります。私としてもこってり系のほうが食べやすくて好きなので、皆さまにもぜひその部分を味わっていただけたらうれしいです。
――最近では原料価格の高騰などが顕著のなか、おいしくてお手頃な『直巻おむすび とり五目』を提供できる理由について教えてください。
製造にかかる原価は上がっていますが、消費者のニーズに応えるためになるべく価格を上げないことを意識しています。特に『とり五目』は、おにぎりカテゴリーで言うとお求めやすい価格帯の商品なので、誰でも気軽に手軽に購入できるのが魅力の1つです。
その魅力を崩してしまうと、今までのニーズとマッチしなくなることが懸念されるので、いかに原価を抑えるかが一番大変なところですね。世の中ではさまざまなものが値上がりしていますが、消費者としては「少しでも安くおいしいものを食べたい」と考える方は少なくないと思うので、品質と価格については可能な限り折り合いをつけるのが重要だと感じています。
――コロナ禍において、おにぎりの需要に変動はありましたか?
新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着いてきて、今はコロナ前の状況に戻りつつあります。ただ、一般的に「おにぎりは出先で食べるもの」と認識されており、おうち時間が増えて内食需要が高まったコロナ禍においては、おにぎりの売上が伸び悩みました。
――Yさんが開発に携わった『直巻おむすび とり五目』も、コロナ禍で需要が落ち込んだのでしょうか。
『とり五目』もコロナ前とコロナ禍の比較では、売上の減少が見られました。ただ、他のおにぎりと比べると変動が小さかった印象です。これはあくまで仮説ですが、『とり五目』は他のおにぎりと比べて、調理性のあるメニューだからという理由が考えられます。コロナ禍で内食需要が高まったものの、「調理疲れ」というワードが聞かれました。そうした状況で調理性のある『とり五目』は、家でも食べやすい商品だったのではないかと思っています。
社会情勢を分析しつつ商品の売れ筋なども加味して考えることで、市場の変化やニーズを汲み取りやすくなります。新型コロナウイルス感染症の流行は、社会的にもさまざまな部分で急激な変化が起こるきっかけとなりましたが、開発する側としては緩やかな時代の流れなども踏まえて消費者ニーズをキャッチしなければならないなと実感しています。
――今後、『直巻おむすび とり五目』をどのような商品にしていきたいですか?
『とり五目』は多くの方にすでに親しまれているので、味を大きく変えてしまうのは“定番商品”としては良くないことだと思います。『とり五目』は新商品のようなインパクトは出せませんが、リピーターが多い商品なので今後も味のベースや価格水準を維持し、手軽に食べられる変わらない味を提供し続けたいです。