何度食べてもおいしい、一番人気の和菓子

北海道十勝産小豆使用 よもぎ香る草もち

商品名や規格は取材当時のものです。

よもぎをたっぷりと練りこんだ香りの良いもち生地で、北海道十勝産小豆のくちどけ滑らかなこし餡を包んだ人気の和菓子です。値ごろ感と手や服を汚さずに食べられる形態もあり、お客様から高い支持を受けています。

 

商品開発に携わったIさんに思いを聞きました。

よもぎの香りを高め、食べやすさも改善

――『北海道十勝産小豆使用 よもぎ香る草もち』のこだわりを教えてください。

細かくカットした早摘みの品質の良いよもぎをふんだんに使用しています。しっかりとよもぎの風味を感じられるもち生地で、こだわりのこし餡を包んでいます。春先の早摘みのよもぎの若葉はえぐみが少なく、香りが良いのが特徴です。こし餡には小豆の旨味が凝縮されたこだわりの北海道十勝産小豆を使用しています。

 

また、上新粉※1を使ったもち生地にすることで手や包装へのべたつきを防いでいます。以前のもち生地にはもち米を使っていたため、べたつきを抑える粉(もちとり粉※2)を草もち全体につけていましたが、現在は粉を使っていないため、粉で顔や服を汚すことなく食べられるようになりました。作り手の目線では、もち生地を扱いやすくするために粉を使用することは当たり前のことと考えていましたが、お客様の目線で考えると粉を使用せずに食べやすくするなど、改善点が見えてきます。

 

※1 上新粉 精白したうるち米を水洗いし、乾燥させ粉にしたもの。もち米を使用した粉に比べ粘り気が少なく、歯切れが良い特徴がある。

※2  もちとり粉 製造の際、もちが手につかないようにするために使う粉のこと。以前は加工でん粉を使用していた。

――チルド和菓子ならではの特徴はどのような点がありますか?

冷蔵で保管するチルド和菓子は、保存に必要な砂糖を減らすことができ、甘さを控えめに作ることができます。自然とカロリーが控えめになることも、人気の一つの要因かもしれません。また、添加物をできるだけ減らし、厳選したこだわりのこし餡、品質の良いよもぎを使用したもち生地、砂糖と、シンプルな材料で仕上げられるのもチルド和菓子ならではの良さといえます。

他部署とも連携し、One teamでの商品開発

――開発はどのようにしていますか?

商品開発は、私たち商品開発部門に加え、工場など他の部門の協力を得ながら行っています。試作は工場にある実機で行う必要があるため、もち生地の配合や水の量などを変えたものを何度も作ってもらい、より良い商品が出来るように工夫しました。チルド和菓子は数日間日持ちがするので、時間が経ってもおいしさが変わらないか変化を確認しながら、細かい微調整を経て作りあげていきます。

 

また、商品の風味や香りなどおいしさの変化を科学的に分析し、数値化する社内チームも一緒に商品開発をしています。担当者だけでなく、様々な部署の人が関わり、一つの商品を開発しています。

――商品開発をする際に大変なこと、楽しいことなどはありますか?

草もちはシンプルな材料でできているため、レシピの改善がとても難しいです。リニューアルの度に、もうこれ以上改善の余地はない、と思いながら作っていますが、毎回アイデアを振り絞り、どうしたら更においしくなるかを考えながら少しずつ改良しています。全く違う商品からアイデアをもらうこともあります。おいしい草もちを研究するために、いろんな草もちをたくさん食べています。

 

また、自分の開発した商品が、日本中の店舗で販売され、たくさんのお客様が食べてくださり、おいしいと言ってもらえることには大きなやりがいを感じます。何度も作り直しをしたり、様々な関係者と交渉したりと大変なことは色々とありますが、リニューアル後にたくさん売れていることを知ると、これまでの苦労が報われ、非常に嬉しく感じます。

季節限定商品から和菓子の定番商品へ

――人気商品となるまでにどのような経緯がありましたか?

草もちは、現在は通年販売されていますが、かつては季節限定での販売でした。リニューアルを重ね、草もちが好きな方によりおいしく食べていただけるよう改善した結果、通年販売商品となり、今では当社の和菓子商品の中で一番の人気商品になりました。

傾向として、洋菓子を購入されるお客様は色々な商品を試される一方、和菓子を購入されるお客様はずっと同じ商品を選び続けるということがわかっています。リニューアルするごとに少しずつおいしくなり、お客様に繰り返し購入していただけたことで、一番の人気商品になれたのだと思います。