こだわりのお弁当を手に取りやすい価格で提供し続けたい
こだわり玉子の親子丼
※商品名や規格は取材当時のものです。
ふわふわ、とろとろな食感の玉子に鶏肉が乗った親子丼はチルド弁当の中でも昔から人気の商品の一つです。玉子と鶏の旨味を感じられるよう、みりんのコクと甘味を活かした割り下とすっきりした醤油を合わせ、独自の技術で製造しています。
商品開発に携わったSさんに思いを聞きました。
――『こだわり玉子の親子丼』の特徴について教えてください。
当社の製造工程は一鍋ずつ焼き上げており、大きな鍋で一度にたくさん調理したものを取り分けるといったことはしていません。専門店のように、親子丼専用の鉄鍋で一つずつ丁寧に調理することで、ふわふわでとろとろな玉子に仕上げることができます。一口食べた瞬間に、割り下を含んだふわふわの玉子がじゅわっと口の中いっぱいに広がるおいしさを追求しています。
――ふわふわな玉子を作るためにどのような工夫をしていますか?
玉子のふわふわでとろとろな食感を出すために、水分量などを細かく調整し、しっかり加熱しても玉子が固くならずに安定した品質となるよう、工夫しています。工場では機械を使い製造していますが、熟練した作業者の技術もとても重要です。加熱する機械の設定や、人の手が加わる際に緻密な調整を行うことで、いつでもおいしい親子丼を作る事ができます。
――原材料の中でも特にこだわった点は何ですか?
親子丼は鶏肉、玉子、野菜、割り下、ご飯と、材料がシンプルなため、素材の味が活きてきます。玉子はニワトリの飼料によって風味が変わるため、餌にこだわり、和食に合う配合を選定して育てられたニワトリの玉子を使用しています。鶏肉は風味が良いのはもちろん、安定した量の仕入れができることも重要です。
また、割り下にもたくさんのこだわりが詰まっています。鶏の風味はとても繊細なため、醤油の強い味に負けてしまわないよう細かい調整を重ねました。おいしいものを作りたいという思いのもと、原料メーカーにも原料の試作や調整を何度もしていただきながら、おいしさを追求しました。改良を重ね、割り下には砂糖を使用せずにみりんを活かし、甘すぎずにさらっと食べられるよう工夫しました。
――商品開発の大変さや楽しさを教えてください。
ここ数年は原材料の値上げが続いていましたが、内容量を変えずに手に取りやすい価格を維持しています。同僚から開発の知識やアドバイスをもらったり、工場や原料メーカーと会話を重ねたりしながら、お客様に必要とされる商品を作るために奮闘しています。親子丼は材料がシンプルなため、できることにも限りがあり、商品開発は本当に難しいです。お弁当の定番としてお客様に長く愛されている商品のため、プレッシャーも感じますが、おいしさの追求のために日々改善に取り組んでいます。実際に開発した商品が店頭に並び、売れ行きを数字として見ることができると、これまでの大変さも報われるように感じます。お客様においしさが伝わり、お買い上げいただけている事がとても嬉しく感じます。
――開発のための情報収集はどのように行いますか?
最近はSNSなどで感想を見ることもあり、食べてくださった方の意見がダイレクトに伝わってくるため参考にすることもあります。休みの日でも、人気の店をチェックしたり、どんな親子丼が求められているのかをリサーチしたりしています。お客様の味の好みも日々変化するので、時代に合った商品開発を続けながら、おいしさをもっと突き詰めていきたいです。