「伝わる」ことで守れる安全と安心。
言葉の壁を越え、誰もが「言える」現場へ

わらべや日洋食品株式会社 東京工場 管理課長代理 Kさん

私たちのサステナアクション

多言語対応で守る食の安全と安心

私たちの工場で大切にしているのは、誰もが正しく業務フローや作業内容を理解し、安心して働けることです。工場ではe-ラーニングの研修に加え、マニュアルや掲示物を各従業員の母国語で用意したり、通訳を常駐させたりして「いつでも外国籍パートナーをサポートできる体制」を整えています。言葉の壁をなくし、相談しやすい雰囲気をつくることが、結果として食の安全・安心を守ることにつながります。

※当社グループでは、社員以外のパート・アルバイトおよび外国籍人材を「パートナー」と総称しています。取り組み内容については、雇用形態や国籍にかかわらず、業務や役割に応じた必要な支援・教育を行っています。

多様な国籍のメンバーが支える「食のインフラ」

24時間稼働を支える多国籍なチーム

首都圏へ、おにぎりやお弁当を届けている東京工場。ここには約80名の社員と約500名のパートナー(パート・アルバイト・外国籍人材[技能実習・特定技能])が在籍し、24時間体制で「食のインフラ」を支えています。出身は日本、中国、ベトナム、フィリピンなど、非常に国際色豊かな顔ぶれ。多様な文化や価値観を持つメンバーが、一つの「おいしい商品をつくる」という共通のゴールに向かって協力し合っています。

仕事の効率を阻む「言語」の壁

異なる国籍やバックグラウンドをもつメンバーに安心して働いてもらうため、わらべや日洋グループでは、会社を挙げて多言語のサポート体制を整えてきましたが、2020年頃からこの取り組みが加速しました。

 

毎週のように新商品が発売され、インプットの必要な情報量が増える中で、どうしても超えなくてはならない壁がありました。それが「言葉」です。新しい情報を正確かつスピーディーに共有するため、そして「食の安全・安心」を守るために、多言語化に向けた取り組みがスタートしました。

多言語対応と教育で、現場の理解度を高める

現在、工場内の掲示物や研修資料は、中国語やベトナム語をはじめ複数の言語を併記しており、写真などのビジュアルを使った解説も積極的に取り入れています。また、業務上、言語のサポートが必要な場面では、外国籍パートナーに対して通訳によるサポートを行っています。

 

社員向けには、仕事上の悩み解消や問題解決力の向上、モチベーションアップにつながる研修や、日本語能力検定などのサポートなどもあります。クッション言葉や「本音と建前」といった日本独自のコミュニケーション文化についても学ぶ機会が設けられています。

 

工場で働くパートナーに対しては、業務に必要な内容について、また衛生管理に関わる基本知識や各工程の作業内容について、e-ラーニング研修を行っています。多言語対応動画での解説によって、理解がより深まる工夫がしてあります。

 

多言語対応のeラーニングや掲示物を活用し、業務内容や衛生ルールをわかりやすく共有しています。
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多言語対応のeラーニングや掲示物を活用し、業務内容や衛生ルールをわかりやすく共有しています。

心理的安全性から始まる「品質」へのアプローチ

強みを活かした「適材適所」の配置を目指す

外国籍パートナーと接していると、それぞれの違いや得意分野に気づかされます。

 

現場では、作業のスピードや吸収力、これまでの経験を活かした安定した対応など、一人ひとりが異なる強みを発揮しています。そうした持ち味が、現場の安定稼働を支えてくれる力になっています。

 

ジェスチャーひとつをとっても文化の違いはありますが、そうした個性を「組織の力」に変えていくことが大切だと考えています。そのためには一人ひとりの適性を見極め、強みを活かした適材適所の配置を行うことが欠かせません。

心理的安全性の高い現場づくり

もう一つ大切にしているのが、「心理的安全性の高い現場づくり」です。これは、誰もが不安や気づいたことを遠慮なく口にできる環境を指します。製造現場では、「言葉がわからないから黙っていよう」という“小さな沈黙”は、異物混入などの重大なミスにつながる恐れがあります。だからこそ、国籍に関係なく「おかしいかも」と言える関係性をつくることが、品質管理の要となってくるのです。

 

そのため、現場に入る中で「大勢の前で注意をしない」「作業だけでなく意図を伝える」「クッション言葉を使ってきつい印象にならないようにする」といった点を意識しています。ルールを伝える際は、「こうすると安全です」「作業時間を短縮できます」など、理由を合わせて伝えるのも大切です。

 

あとは、何か質問をされたらしっかり応じること。当たり前のことかもしれませんが、こういった細かい積み重ねが「話しかけやすさ」や「良好な現場の雰囲気」につながると考えています。

「言葉」以上に大切な、心のコミュニケーション

単に言葉を翻訳するだけでは、本当の意味で「壁」を越えることはできません。「ありがとう」「おはよう」といった日常の何気ない声かけも大事だと感じています。

 

季節ごとに需要が高まる時期は、工場で働くパートナーの負担も大きいもの。こういった場面では、目標を達成できたことを笑顔で一緒に喜び合い、「お疲れさま!」といった声掛けをしっかりするようにしています。

 

これらの日々の積み重ねが、働きやすい雰囲気づくりやパートナーの定着にもつながっていると感じています。

 

国籍や言語の違いに関わらず、気づいたことを安心して伝え合えるよう、日々のコミュニケーションを大切にしています。
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国籍や言語の違いに関わらず、気づいたことを安心して伝え合えるよう、日々のコミュニケーションを大切にしています。

「リーダー」を増やし、現場のハブをつくる

現場の「心理的安全性の高い現場づくり」をさらに進めるため、わらべや日洋グループでは役割と育成プロセスを明確にした「リーダー制度」を整え、パートナーの中から現場を支えるリーダー 人材を育成しています。リーダーは、複数の製造ラインの稼働状況を把握しながら、日々の業務が円滑に進むよう現場全体を支える存在です。また社員とラインのパートナーの間をつなぐ「ハブ」としての役割も担っています。

 

このリーダー制度では、現場のまとめ役としてアシスタントリーダーを経験した人材が、段階的に役割を広げながら、より広い視点で現場運営に関わっていく仕組みを採っています。現場での経験を積み重ねながら、責任の範囲を徐々に高めていける点がこの制度の特長です。

多言語対応のその先へ。成長を支える人材育成

次の一歩を後押しする仕組みづくり

こうしたリーダー制度のもとで、現場で経験を積んだ人材が、それぞれの立場に応じて力を発揮し、次の役割に挑戦できる環境づくりを進めています。わらべや日洋グループでは、育成や評価を通じて、自身の成長を実感しながら働ける仕組みを整えています。

技術とコミュニケーションを磨き、誇れる職場へ

その一環として、メーカーなどによる実地研修や専門的な技術習得のサポートを行っています。また、身近なロールモデルの存在が次の成長意欲につながることから、「次はあの人のようになりたい」と思える関係性や環境づくりも求められます。

 

多様なメンバーが、心理的安全のもとで一つのチームになれば、どこにも負けない強靭な組織になるはずです。これからも、誰もが輝ける多国籍チームのあり方を追い求めていきたいです。

記事内容は2026年2月時点のものです。

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