わらべや関西株式会社 関西チルド商品課 係長 Iさん
私たちのサステナアクション
地域とつくる持続可能な食循環
わらべや日洋グループでは地域の生産者とともに、地元の食材を生かした商品開発に力を入れています。地産地消は、鮮度の良さはもちろん、輸送距離の短縮によるCO₂排出量の削減や地域農業の活性化などにも寄与する大切な取り組みです。身近なコンビニエンスストアという接点を通じて地域の魅力を発信することで、「持続可能な食のサイクル」を支えています。
南北に長く、地域ごとに独自の食文化が根付く日本。同じ「和菓子」ひとつとっても、地域によって求められる味は異なります。例えば、みたらし団子。関東では醤油のキレが際立つ濃いめな味付けが好まれますが、関西では出汁の風味を感じる、少し甘めでまろやかなタレが主流です。
わらべや日洋グループではこうした地域ごとの嗜好の違いを踏まえ、各地域に根ざした商品開発を行ってきました。地域に根づいた味を大切にしながら、その土地ならではの食文化を商品として形にすることで、より多くのお客様に届けることを目指しています。
滋賀県で親しまれている「近江ほうじ茶」を使ったわらび餅や大福を、季節・地域限定で展開しています。実はこれ、そのまま飲料用としては販売が難しい茶葉を有効活用しています。開発にあたっては、地域の優良な素材を無駄にせず、加工の力によって新しい価値を生み出すことを意識してきました。こうした取り組みが、結果として食品ロスの削減や地域活性化にもつながっています。
他にも、和歌山県で栽培された規格外のはっさくを使った商品や、地域原料である滋賀県の近江牛乳、京都府産の紅はるか(さつまいも)を使った商品の開発にも携わってきました。
地域の優良な素材を有効活用するだけでなく、その地域に根づく文化や食べ物のおいしさを伝えていくことにもつながると考えています。

- 拡大
- 規格外品や未活用原料を生かし、地域の素材の魅力を新たな形で届けています。
わらべやが提供している「チルド(冷蔵)和菓子」は、他社ではあまり見られないジャンルといえます。
和菓子は常温で販売されることが一般的ですが、チルド管理することにより品質を保ち、素材本来の味を引き出すことができます。「日が経っても固くならないお餅」や「口どけ良くすっきりした餡」など、冷蔵環境を前提とした製法だからこそ実現できる、品質と鮮度を追求した“新しいおいしさ”を日々研究しています。
関西エリアにおけるチルド和菓子の開発部門は、製造現場である滋賀工場の中にあります。そのため、「このお餅の柔らかさを実際の機械で再現できるか?」「このタレの粘度で食べやすさはどうか?」といったことを、その場ですぐに工場のメンバーと確認しながら試作品の製造や改善を進めることができます。
開発と製造が近い距離にあり、細かな調整を重ねながら地域ごとの嗜好にあった味づくりを行える点が特長です。実際の製造工程を前提に開発を進めることで、商品を安定的に提供できる品質を確保しています。
また工場では、必要な量を安定した品質で効率的に製造できるかを確認しながら、安全に製造を行うための環境づくりにも取り組んでいます。こうした確認を重ねるプロセスが、品質と安定供給の両立につながっています。

- 拡大
- 製造現場での試作と検証を重ね、安定した品質と持続可能な生産を両立するものづくりを進めています。
わらべやでは、地域ならではの嗜好に合わせた商品を日々研究しており、年に数回程度、地域フェアと連動して地域に根差した原材料を使用した地産地消の商品を開発しています。
まったく新しい商品をゼロから企画することもあれば、既存の定番商品の原材料を、地産原料に置き換え、その土地ならではの魅力を引き出すこともあります。まずは特定のエリアや期間限定で発売し、反応を見ながら改良を重ねることでより多くのお客様に届けられる商品へと育てていく。こういった段階的な取り組みを通じて、地域の味を身近な商品として提供しています。
商品開発で大切にしているのは「その地域に根ざす文化や伝統を未来に伝えていく」という視点です。コロナ禍で人の動きが制限され、和菓子の需要が大きく落ち込んだ時期に、最高級食材として知られる「丹波大納言小豆」の生産農家の方が、需要がいつ戻るかわからず、生産を続けていくのが難しい状況で困っているという話を耳にし、「地域の貴重な食材がなくなってしまうことは望ましくない」「この文化を絶やしてはダメだ」と感じました。
そこで、「外出が難しい方にも手軽においしいあんこを味わってほしい」と考え、丹波大納言小豆を使用した複数の商品を開発しました。中でも印象に残っているのが、人気商品である「豆大福」のあんこを丹波大納言小豆に変更し、期間限定で販売した取り組みです。
豆大福の開発にあたっては、小豆の炊き方や配合の割合などを地元のメーカーさんと共に工夫を重ねました。
商品発売前の店舗オーナー様向け展示会で試食提供を行い、来場者アンケートでは「おいしさ」の項目で1位と高評価を獲得。こうした反応は、地域の素材が持つ魅力を生かすために重ねてきた工夫や調整が、一定の形になったことを実感する機会となりました。

- 拡大
- コロナ禍に期間限定で販売した、丹波大納言小豆を使用した豆大福。
地域には魅力的な食材が無数にありますが、すべてを商品化できるわけではありません。
どれだけおいしくても、限られた量しか確保できない場合や品質のばらつきが大きい場合は、多くの店舗に安定して届けることが難しくなります。地域食材が持つ個性やポテンシャルを見極めながら、いかに安定供給と品質の両立を実現するか。その判断が商品開発には欠かせないと感じています。
私たちが取り組んでいるのは、単なる商品開発ではありません。その土地でできる食材や伝統的な調理法、地域の「食文化」を、次の世代へつないでいくことだと考えています。
地域に眠る素晴らしい食材を、身近なコンビニエンスストアで手に取れる商品として届けることで、地域の魅力を知るきっかけをつくり、食の価値を感じてもらえたらと考えています。
伝統的な食文化は、若い世代にとってはむしろ「新しい体験」でもあります。だからこそ、伝統と進化を掛け合わせることで、老若男女に愛される商品を生み出していきたい――そんな思いを持っています。
記事内容は2026年2月時点のものです。
03
持続可能なサプライチェーンの実現
気候変動や社会情勢変化に対応した安定的な食料の調達・供給
対応するSDGs
sdgs02j sdgs08j sdgs12j sdgs14j